人生半分の僕へ
拝啓 17歳の僕へ
突然、失礼。
そして全く何か解らないと思うけどちょっとだけ時間をくれ。
信じられないと思うけど、実は私は君だ。
34歳になった君だ。
ありのまま今起こった事を話すぜ!
何を言ってるのかわからねーと思うが
おれも何をされたのかわからなかった!(ポルナレフ状態)
(ジョジョはどこまで進んでたっけ?ちなみにまだ続刊がでてるんだぜ!)
(余計嘘っぽくなったけど、これはマジだからね。)
今、この手紙を書いているのは2014年の年末だ。
2014年現在、妻と子供が二人のいて、私はサラリーマンをしている。
さて、寝ようかと思ったら突然ラッパの音が鳴り響き、ピエロの格好をした、すごくちっちゃいオッサンが現れた。(この手紙を持ってきたのと同じシュチエーションだろ?)
そして突然、そのオッサンが言った。
「おめでとう!当たったよ!どれがいい?」って・・・
人生リセットボタン・・・自分が好きなところからやり直せる。
そのかわり、そこまでの記憶その他は全部消去されるよ。
人生スーパーイージーモードボタン・・・お金が溢れるよ。
そのかわり、身近な誰かが不幸になるよ。
人生完了ボタン・・・人生終わらせることができるよ。
そのかわり、身近な誰かがスーパーイージーモードになるよ。
正直、どれも押したくなかった。なので要らないよ。って言ったんだ。
そしたらそういうわけには行かない!って言い出した。
ちゃんと仕事をするタイプのオッサンだったんだ。(見た目ピエロだけど)
で、例外として、この手紙を指定した自分の過去の自分に持っていってもらう。ということで決着がついた。
前置きが長くなったが、そういうわけで今、この手紙は君に届いたんだ。
ちょっと信じてもらえただろうか。
今、17歳の君は大好きなサッカーで怪我をして、やっとリハビリを終えて再度サッカーに挑戦しているところだね。
元通りのプレーが出来なくてイライラしているね。
学校に、同級生に、親に、世界にちょっとイライラしているんだろ?
大丈夫だ。もうすぐちゃんと折り合いがつく。
少なくとも来年春頃には勘が戻ることは間違いない。
あせらず、ちゃんと決められたトレーニングをするんだ。
さて、サッカーの話はもうしない。その後どうなるかはわからないほうが楽しいだろ?少なくとも34歳になった自分としては、振り返ってみると満足のいく結果になった。とだけ言っておこう。そのまま頑張れ。
伝えたらいけないこともあるようなので(当たり馬券とか、買っといたほうがいい株とか、ビンテージとか)単刀直入に伝えるよ。
交通事故に気をつけろ。
自転車で無茶な運転はするな。信号無視するな。色々気をつけろ。
特にバイクに乗るのは辞めろ。
憧れているのは知っている。だけどやめとけ。どうしてかは察しろ。(これ以上はいっちゃダメみたいだから。)
無茶な酒の飲み方はするな。
色々人に迷惑がかかるからな。(同じく察しろ。)
マジメに学校や親に反抗するな。
もう少し気楽に考えろ。勉強も受験も手段なんだ。実はたいしたこと無いぞ。
色々ちゃんと準備してから行動しろ。
もう少し大きくなったとき、色々考えて決断することがある(詳しくは言えないけど)。その時、準備を大切にしろ。勢いで決断することは得意なんだ。だから決断はほっといてもする。とにかく準備を入念に。
今の彼女を大切にしろ。
将来の「○○○」だ。マジで色々覚えているから、今からちゃんとしとけ。(これが一番大事だぞ)
・・・とまあ、具体的な「言っちゃいけない」ことを言わずに手紙を書いたら、ただの近所のオッサンがいう台詞になっちゃったじゃないか。どうしよう。
えーと、大事なことを一つだけ。
34歳になっても。色々あったけれども。
今、結構幸せだから。
だから、大丈夫。
将来を悲観しなくてもいいし。
何かうまくいかないことがあってもちゃんと立ち直れるよ。
そのくらいは大丈夫だ。
ま、明日からも今までどおりちゃんと続く。少なくとも34歳まではね。
17歳からすれば永遠に感じるほど遠い未来かもしれないけど。
と言うわけで、たいしたことの無い手紙だったが、終わる。
風邪引かないようにちゃんと髪乾かして寝るんだぞ。
あ、すごい大事なことを忘れていた!!
髪を染めたり、パーマかけたり、ドレットにしたりするな!!
将来おまえは・・・
〈終わり〉